1位は3年で月間残業時間が43時間減!15時間以上減少した企業は?
要旨:
- 1位のニッセイ情報テクノロジーは2013年からの3年間で月43時間の残業時間減少
- トップ3(ニッセイ情報テクノロジー、フューチャー、アクセンチュア)はIT企業がランクインし、月30時間以上の減少
働きがい研究所 調査レポート「6万人の社員クチコミによる『平均残業時間推移』」では、2013年からの3年間で全企業平均において月11時間の大幅減少が見られ、業界別に見ても、ほぼ全ての業界で減少傾向があるという調査結果を発表しました。その調査結果を受け、今回の調査レポートでは具体的にどのような企業で大幅に残業時間が減少したのかを調査しました。
Vorkers(現:OpenWork)に寄せられた、現職社員(回答時)による残業時間データを年次で集計し、企業別に平均の推移を調査しました。Vorkers(現:OpenWork)が実数として取得している残業時間は、企業が公式に発表している残業時間ではなく、社員自身が認識している残業時間となるため、サービス残業が含まれた、より実態に即したものとなっています。
残業時間が減った企業ランキング
※ランキングの評価点・クチコミ件数などは集計時点の数値となるため、「Vorkers(現:OpenWork)」各企業ページで掲載している数値と異なる場合があります。
社員クチコミから見る、残業時間減少の背景
今回の調査レポートでは、2013年からの3年間で月15時間以上の残業時間減少が見られた企業をランキングにしました。
長時間労働について各企業が改善に取り組んでいる中、ランクイン企業のクチコミを通して見えてきたのは、定時退社日の設定や、帰宅時間の声かけといった「帰りやすい風土作り」と、残業時間管理や条件の設定など、会社側の「管理体制の見直し」でした。
「近年、ワークライフバランスの改善に本格的に取り組んでいる。ノー残業デーの設定、月一回の有給休暇の取得勧奨などが上層部から働きかけられ、具体的な効果が出ている。(専門職、ニッセイ情報テクノロジー)」[2015年5月回答]
「最近は残業60時間超えが3か月連続で続くと経営会議で取り上げられるほど、ワークライフバランスに気を使っている。ひと昔前は100時間、200時間の残業の嵐だったが、今はよっぽどではないかぎり、そこまでの働く事はなくなっている。(コンサルタント、フューチャー)」[2016年1月回答]
「福利厚生が非常に良く、プライベートとのバランスは取りやすい。証券会社随一と言っても過言ではない。また残業時間も厳しく管理されており、規定を超えてくると、総務、上司に呼び出される事も。サービス残業などは全くなく、業務の効率化をひたすら図る。(営業、みずほ証券)」[2016年11月回答]
「自分次第ではあるが、会社として真剣に環境を改善向上しようとしている。(マネージャ、デロイトトーマツコンサルティング)」[2014年11月回答]
「仕事好きな人間が集まるが、会社側ではあまり働き過ぎないように強制帰宅など管理制度があるため調整できる。採用や人事に力を入れているので、毎年なんらかの新制度はできており、働きやすい環境を作ろうと言う意識は高いため今後も期待できる。(エンジニア、サイバーエージェント)」[2016年11月回答]
「19時半前に職場を出る、残業時間を削減するということに全社的に取り組んでいる。毎年、生産性向上活動がなされ、無駄な仕事の削除など、一定の成果は出ている。そういう意味では仕事とプライベートの時間の切り分けはやりやすいだろう。(課長、第一生命ホールディングス)」[2016年6月回答]
「近年、働き方改革が実施されており、勤務形態や残業規制、有給消化については改善されている。例えば、若手であれば時間管理であるため、働いた分の給与は得ることはできる。また、管理職が家庭のイベントのために、休暇を取るケースも多い。一方で、繁忙期は深夜、休日の出勤は当然存在する。それでも、最低限の法令遵守意識を持ってやってはいる。(エンジニア、伊藤忠テクノソリューションズ)」[2016年9月回答]
「サービス残業はないといいきれるので、バランスはとりやすいです。ただ、残業をさせない風習があるので、勤務時間内で仕事を終わらせれる人間になれというプレッシャーは感じます。(販売担当、ニトリ)」[2014年6月回答]
「年休取得率最低でも 80%以上なので有休は取りやすい。また、月間残業時間45時間以下制限されるため、自分の時間が作りやすい。(生産企画、ダイハツ工業)」[2016年6月回答]
「以前は夜中まで働いていたイメージですが、この点はかなり改善されていると思います。45時間以上働くには上司の申請が必要です。外回りは直行直帰もある程度しているんで、ある程度時間を作るのは楽だと思います。もちろん仕事が立て込んでいる期末やトラブル対応などやるべき時は遅くなりますが、昔とは変わったなというイメージです。(営業、デル)」[2015年8月回答]
「調整しやすくなったと感じる。残業については、以前は慢性的に60時間を超える状況だったが、全社的に45時間以内に抑えようとする施策が浸透しつつあり、現在では毎月40時間以内に収まるほどになった。(エンジニア、ソフトバンク)」[2016年10月回答]
「最近は残業を減らしていくといった雰囲気であり、19:00以降は組合より声かけがある。出社時間に関しても8:00以降にするようにという雰囲気。(事務、三井住友信託銀行)」[2016年6月回答]
「とても調整しやすい。(ワーク・ライフ・バランスは)会社全体で取り組んでいるひとつである。例として土日や平日19時以降のメールなどは禁止などあり。(MR、日本イーライリリー)」[2016年10月回答]
「最近は特に残業が厳しくなっており、閑散期で42時間、繁忙期で78時間以内に収めるように徹底されている。本当かどうかは分からないが、その残業時間を超えてしまう場合、残業の少ない場所へ移動させるという徹底ぶり。(オペレーター、HIS)」[2016年12月回答]
「2016.9月より働き方改革の一環で残業半分を目標に活動中。これもあり過剰なオーバーワークが減ってきてはいる。(研究開発、富士フイルム)」[2016年10月回答]
データの集計について
データの収集方法
「Vorkers(現:OpenWork)」の会社評価レポートへの回答を通じてデータを収集しています。
会社評価レポートの回答条件は下記のとおりです。
- 社員として1年以上在籍した企業の情報であること
- 500文字以上の自由記述項目と、8つの選択項目に回答いただくこと
以下の2つのデータについても収集しています。
- 月間残業時間(実数)
- 有休取得率(実数)
対象データ
Vorkers(現:OpenWork)に投稿された回答時現職の社員による残業時間62,666件を対象データとしています。その内、各年10件以上の回答がある112社を対象にランキングを作成しました。(集計期間:2013年1月~2016年11月)
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