次の時代の「働く」論

これまでのモデルが通用しない、“次の時代”

AIを中心とした技術革新により、これまでの競争優位が通用しなくなるような産業構造の変化が進んでいる。

言い換えると、技術革新によりこれまでの競争原理が一日にしてひっくり返され、過去からの蓄積が通用しなくなる危機と、イノベーションを生み出せるチャンスという、天と地が簡単に転換する時代、不透明で不明瞭、そして曖昧な時代に我々は直面している。


これからの「働く」とは

技術革新は、働き方や人間に求められる職務、職務の価値・待遇にも影響を与え、多くの日本人は将来への不安を募らせている。

1980年代の日本、年功序列、長期雇用の上で安定的に収入が高まっていた時代。その時代に生きていなかった平成生まれの若者にも、古き良き時代とされ残像が伝播している。

戻ることのない過去の時代の残像から解き放たれるために、これからの時代に、日本人はどのように「働く」ことに向き合い、個人のキャリアづくりや、柔軟な人材移動はどう進んでいくべきなのか。

産業社会を映し出す鏡である「社員クチコミデータ」から今と未来の「働く」を考えよう。



このレポートの著者:古屋星斗氏

大学院(教育社会学)修了後、経済産業省入省。産業人材の育成、クリエイティブビジネス振興、福島の復興支援、成長戦略の策定に携わり、アニメの制作現場から、東北の仮設住宅まで駆け回る。2017年、同省退職。現在は大学院時代からのテーマである、次世代の若者のキャリアづくりや、労働市場の見通しについて、研究者として活動する。非大卒の生徒への対話型キャリア教育を実践する、一般社団法人スクール・トゥ・ワーク代表理事。