20代の新卒入社社員が「プライベートが安定している」と思える会社はどこなのか。Vorkersのクチコミからランキングしました。
要旨:
- 新卒入社5年目までの社員による企業評価レポート(11,694件)より、「プライベート安定型」会社ランキングを集計
- 空輸、運輸系企業が5社ランクイン
1位JALスカイ、9位ANA、12位ANA成田エアポートサービス、13位西日本旅客鉄道、22位東日本旅客鉄道 - NTT関連企業が6社ランクイン
6位NTT、15位NTTドコモ、17位NTT西日本、18位NTTコミュニケーションズ、19位NTTコムウェア、23位NTT東日本 - 国内主要自動車メーカー5社がランクイン
2位本田技研工業、4位三菱自動車、8位マツダ、24位トヨタ自動車、27位日産自動車
今回のレポートでは、新卒入社で5年目までの社員による企業評価レポート(11,694件)から、「残業時間数(月間)」と「有休取得率」の2つの数値に基づいて「プライベート時間確保指数」を算出し、ランキングを作成しました。
プライベート時間確保指数とは
月間残業時間と有休取得率を元に算出した数値です。全体平均を100としたときに、どのぐらい上回って/下回っているかを示す指標です。
若手社員の「プライベート安定型」会社ランキング
※ランキングの評価点・クチコミ件数・残業時間・有休取得率などは投稿によって変動するため、「Vorkers(現:OpenWork)」各企業ページで掲載している数値と異なる場合があります。
若手社員の「プライベート安定型」会社ランキングトップは、株式会社JALスカイ
ランキングの1位を獲得したのはJALスカイ。同社のプライベート時間確保指数は169.44であり、全企業平均よりも約1.7倍となっており、仕事以外の時間を確保しやすい会社です。
同社は、成田空港、羽田空港における旅客カウンター・ラウンジ業務を行っているJALグループ企業です。年365日、ほぼ24時間(羽田空港の場合)営業している空港での業務であるため、基本的にスタッフは、4日働いて2日休むという「シフト制」で働いています。
若手社員のクチコミをみると「独身には予定が立てやすく、働きやすかったのではないか。有休もほぼ消化できていた」、「有給休暇が取りやすく、福利厚生を利用して海外によく行きました」というコメントがあり、JALグループならではのメリットを活かしてプライベートを楽しむ方もいるようです。ただ、早朝や夜間勤務もあるため、家族がある方は家族の理解が必要ですし、ゴールデンウィークや、お盆、年末年始は空港にとっては繁忙期であるため、そうした時期は休みづらいといった制約もあります。
ランキング2位は、本田技研工業株式会社と株式会社オリエンタルランド
ホンダの若手社員のクチコミを見ると、「定時退社日は必ず定時で退社する。有休も簡単に取得できるのでプライベートを充実させることは十分に可能」というコメントがあります。労働組合がしっかりしていることもあり、過度な残業をしない、また有休をしっかり取得できる仕組みが確立しているようです。中には「有休取得ノルマに追われる」というコメントも見られます。ただし、管理職となると残業、休日出勤が当たり前となり、プライベート時間確保の維持が難しくなるケースもあるようです。
オリエンタルランドが運営するディズニーリゾートは、365日営業していることから、シフト制での勤務が基本です。きちんと業務をやれば時間通りに退社が可能。また、会社として残業を抑制しており、若手社員のクチコミを見ると「事情があって残業できない人間が肩身の狭い思いをしない空気があった」とプライベート時間を大切にする企業文化が根付いていることがうかがえます。また、ゴールデンウィーク、夏休み期間、年末年始といった繁忙期には休みづらい一方、「繁忙期でなければ長期休暇を取得することが奨励されている」とのことですから、有休取得も容易であることがわかります。
ランキング4位は、三菱自動車工業株式会社
2位のホンダに続き、4位は三菱自動車工業株式会社と、労働組合が強い自動車メーカーがランクインしました。若手社員のクチコミには、「有休も非常に取りやすく年17日以上取るように組合から目標がでている」や、「サービス残業は一切ない」というクチコミが寄せられています。ただし、研究開発部門など、部署や上司の考え方次第では、多くの残業を余儀なくされるところもあるようです。
データの集計について
データの収集方法
「Vorkers(現:OpenWork)」の会社評価レポートへの回答を通じてデータを収集しています。
会社評価レポートの回答条件は下記のとおりです。
- 社員として1年以上在籍した企業の情報であること
- 500文字以上の自由記述項目と、8つの選択項目に回答いただくこと
8つの選択項目は、下記内容に対する5段階評価となります。
- 待遇面の満足度(待遇面全般についての満足度)
- 社員の士気(仕事に対する社内の士気について)
- 風通しの良さ(社内の風通しについて自由に意見が言えたか)
- 社員の相互尊重(社員同士がお互いを尊重し合う、チームワーク意識について)
- 20代成長環境(20代が鍛えられる、成長できる就業環境について)
- 人材の長期育成(採用した人材を30代、40代、50代と長期に育成してゆく方針について)
- 人事評価の適正感(実力のある社員が適正に評価され昇進しているか)
- 法令順守意識(社内の法令順守意識について)
以下の2つのデータについても収集しています。
- 月間残業時間(実数)
- 有休取得率(実数)
「プライベート時間確保指数」の算出方法
- ※プライベート時間確保度=残業時間度+有休取得度
- ※「残業時間度」:月間残業時間(実数)を1~5の5段階に変換(残業時間が少ないほど度数が高い)
- ※「有休取得度」:有休取得率(実数)を1~5の5段階に変換(有休取得率が高いほど度数が高い)
対象データ
2007年7月~2015年1月に、新卒入社で5年目までの社員・元社員から投稿されたレポート(全11,694件)を対象データとしています。
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