女性が強い会社ランキング(vol.18)

「士気」と「風通し」において「男女の差」がある会社を調査

要旨:

  • 1位に恋愛ゲームアプリで知られる「ボルテージ」、2位に外資系証券会社「メリルリンチ日本証券」、3位に外資系製薬会社「ヤンセン ファーマ」がランクイン

今回の調査レポートでは、Vorkers(現:OpenWork)による社員満足度を測る8項目のうち、「社員の士気」と「風通しの良さ」の2指標に着目、2つの合計値を男女別に集計し、男女の差が「女性優位」に表れている会社をランキングにしました。


女性の働き方に注目が集まる昨今、男性社員に比べて、女性社員の方がより士気が高く、風通しが良いと感じている会社にはどのような特徴があるのか、「Vorkers(現:OpenWork)」に寄せられたクチコミから考察します。


「男女差」について

Vorkers(現:OpenWork)に寄せられた社員クチコミから、「社員の士気」と「風通しの良さ」(共に5段階評価)の合計値を男女別に集計し、女性と男性の差をランキングしています。

※ランキングの評価点・クチコミ件数などは集計時点の数値となるため、「Vorkers(現:OpenWork)」各企業ページで掲載している数値と異なる場合があります。


1位は恋愛ゲームアプリで知られる「ボルテージ」

今回の調査で、男性社員に対して最も差をつけたのは、恋愛ゲームアプリを主軸としたスマートフォン向けゲームを開発する「ボルテージ」。女性向けゲームの開発をメインとする同社は、女性社員の比率も高く、女性が活躍できる環境があるようです。


Vorkers(現:OpenWork)に寄せられた評価では、「人材の長期育成」の数値が他の指標より低く出ている同社ですが、産休・育休・子供の看護休暇に加え、子供の行事に参加できるようにする「チャイルドサポート休暇」や「ママランチ会」「早期復帰支援金」「託児所代補助制度」を試験的に実施するなど、長く働ける職場環境づくりに向けた企業側の積極的な取り組みが見られます。


Vorkers(現:OpenWork)に寄せられたクチコミでも、多くの女性社員の活躍がうかがえます。


「女性はとても働きやすい職場だと言える。社内の6割以上は女性で、マネージメント層も女性が多いため意見も通りやすい。子供を産んでも十分戻ってこられる社内雰囲気と制度がある。(ゲーム企画職、男性)」


「女性の従業員が多いので、ちょっとしたところでも女性の意見が尊重される傾向はある。結婚され、育児休暇を取られている方、復帰され時短勤務されている方、働くお母さんにはとても優しい会社だと思う。(デザイン、女性)」


「基本的にやる気のあるひとが多く、やりたいことや信念をもって働いているひとが多いイメージです。(制作、女性)」


メリルリンチ日本証券(2位)、JPモルガン証券(6位)、外資系証券会社2社が上位にランクイン

メリルリンチ日本証券(2位)のクチコミ

2位にランクインしたメリルリンチ日本証券は、かつて女性が社長を務めていたこともあり、女性登用についても積極的であるようです。Vorkers(現:OpenWork)のクチコミを見ても、風通しが良く、女性が士気高く働いていることがうかがえます。


「風通しの良い会社だと思う。外資系色が強いからか、部署によって多少文化の違いはあるかもしれないが、全体的に役職に限らず様々な意見を受け入れる文化があったように感じた。また、女性登用に関してもグローバルレベルで積極的であり、女性にフォーカスを当てたイベントなども行われていた。(事務、女性)」


「男女差別はなく、女性でも活躍する場は平等に与えられていると思う。また自分の意見も年齢関係なく発言できる。(本店営業部、女性)」


JPモルガン証券(6位)のクチコミ

同じく外資系証券会社であるJPモルガン証券が6位にランクイン。こちらも、女性社員が妊娠・出産後も安心して働き続けられるよう、「妊娠・出産・育児のあんしんプログラム」(産前産後休暇の取得や時短勤務、保育所補助金などの支援プログラム)の提供や、社内に搾乳室を設けるなど、女性が子育てをしながらでも働きやすい環境づくりをしているようです。女性のマネージャーも多く在籍しているようで、女性が長く活躍できる社内環境であることが見受けられます。


「男性、女性の区別が外資系の中でもかなり少ないほうだと思う。女性で役職付きで活躍している人が多い。育児休暇の取得率も高く、とったからといって不利になることもない。(バックオフィス、女性)」


「部署によっては女性がほとんどの部署もあります。女性のマネージャー、部長も数多くいます。女性は働きやすい会社だと思います。(テクノロジー、男性)」


3位は外資系製薬会社「ヤンセン ファーマ」

3位にランクインしたのは、米国ジョンソン・エンド・ジョンソンの医療用医薬品日本法人である、「ヤンセン ファーマ」。小学6年生までの子供を持つ社員に対し、週2回までの在宅勤務を許可する「在宅勤務制度」の導入など、社員のワークライフバランス向上に積極的に取り組んでいるようです。クチコミからも、とてもフラットな社風であることがうかがえます。


「とても自由な風土で中途で入社してもすぐになじむことができ、意見を言うことができる。自分の裁量にまかせて仕事をさせてくれるので、申しでれば、さらにスキルを積める業務も任せてもらえる、製薬企業で薬剤師が多くせいか、雰囲気は穏やかで、産休、育休、介護休暇、資格取得奨励制度もあり仕事上のモチベーションになる。(開発部 薬剤グループ、女性)」


「社風としては、自由で新卒・中途の隔たりは感じません。また、ダイバーシティはかなり推進されているので、女性が働く環境はよく、さまざまな育児関連の制度も利用しやすいです。(営業、女性)」


日系大手企業では、三菱UFJインフォメーションテクノロジーが4位にランクイン

4位にランクインしたのは、三菱UFJフィナンシャル・グループ各社のシステム設計・構築を担う「三菱UFJインフォメーションテクノロジー」。同社も、福利厚生に「出産・育児支援」を設け、産休・育休・看護休暇に加え、託児補助や勤務時間中に妊産婦検診のための時間を確保できる制度を導入しており、厚生労働大臣が一定の基準を満たした企業を「子育てサポート企業」として認定する、「くるみん認定」を受けるなど、女性が活躍できる環境がうかがえます。


「IT系の会社には珍しく4割が女性で、産休後も復帰して働いている社員が多い。また子育てをしながらも開発リーダーに抜擢されることもあり、女性がやりがいをもって働き続けやすい会社だといえる。(SE、女性)」


また、同社のクチコミで多く見られたのが、働く上で「男女平等」であるということ。女性であることが働く上での弊害にならないことが女性社員の士気向上、風通しの良さにつながっている一方で、体力面での厳しさなどは多少あるようです。


データの集計について

データの収集方法

「Vorkers(現:OpenWork)」の会社評価レポートへの回答を通じてデータを収集しています。

会社評価レポートの回答条件は下記のとおりです。

  • 社員として1年以上在籍した企業の情報であること
  • 500文字以上の自由記述項目と、8つの選択項目に回答いただくこと

以下の2つのデータについても収集しています。

  • 月間残業時間(実数)
  • 有休取得率(実数)

対象データ

2007年7月~2015年7月に投稿されたレポート回答のうち、レポート回答者数が7人以上ある企業603社のレポート回答49,551件を対象データとしています。

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働きがい研究所

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