【年齢別】女性社員の年収企業ランキング(vol.102)

30歳時点の想定年収でランキング。25歳から40歳までの想定年収とアップ額も算出


要旨:

  • 30歳時想定年収は1位に野村総合研究所、2位に電通、3位にP&Gジャパンがランクイン
  • 25歳から40歳にかけての年収アップ額1位はセールスフォース・ジャパン、2位が電通、3位が野村総合研究所、4位がアマゾンジャパン、5位がトヨタ自動車

岸田政権が掲げる「新しい資本主義」の政策では、企業に対して人的資本をはじめとした非財務情報の開示が義務化されています。中でも、「男女の賃金格差」に関しては、2023年度からは有価証券報告書においても開示を義務づける見通しとなっており、今後ますます企業における男女間格差に注目が集まりそうです。


今回の調査レポートでは、なかなか知ることができない女性社員のリアルな年収事情に着目し、 OpenWorkに蓄積された女性社員の年収・給与データを元に、30歳時点の想定年収上位30社をランキングにしました。併せて、企業ごとに異なる賃金カーブを25歳から5歳刻みで可視化する「年齢別年収」機能を応用し、25歳から40歳までの年齢別想定年収も算出しました。OpenWorkに寄せられた、ランクイン企業で実際に働く女性社員の声もご紹介します。


【年齢別】女性社員の年収企業ランキング

女性の30歳時想定年収1位は野村総合研究所。製薬や自動車などのメーカー、証券会社などが多くランクイン

集計条件を満たす497社の年齢別想定年収を算出した今回の調査レポート。30歳時の想定年収1位は野村総合研究所、2位に電通、3位にP&Gジャパンという結果となりました。また、ランキング全体を見渡すと、製薬や自動車のようなメーカー系や金融・証券などの企業のランクインが目立ちました。


実際に働いた女性社員が投稿した「年収・給与」のクチコミを見てみると、フラットな評価制度や定期的な昇給を評価する声が多く見られた一方で、ランクイン企業の多くは待遇面の満足度が非常に高く、福利厚生などが手厚いといった声も多く上がっていました。


「毎年必ず昇給する。昇格する場合は、1つ上がるごとに月に3万円の基本給アップとなる。賞与の割合がかなり高く、大体年間で9ヶ月分の賞与が出る。給与に不満を持つ社員は少ないのではと思う。(本社、女性、野村総合研究所)」


「1年ごとの評価会議で決められるランクが基本給に反映されます。賞与は基本は業績連動です。急にひかれたリモートワークに応じた特別手当などもでるのは、金額さておき臨機応変だなと思います。数年前から新たな評価制度が導入され、若くしてマネ職になる人材も登場しています。(営業職、女性、電通)」


「賞与、昇給、手当、福利厚生は素晴らしく整っております。結果を残せばキチンと評価をして頂き給与という形で表されます。そこがとても嬉しくもあり成績表のようなものです。自分でも頑張ったプロジェクト、そうではなかったプロジェクトよく分かっておりますので自分がみた評価と会社がみた評価はとても比例しており納得いくものでした。(企画、女性、P&Gジャパン)」


「待遇差はなく、男性と平等に扱われる。男性も育休や育児関連(お迎え、入園式等)の中抜けや有給取得をする人が多く、お互いの事情を理解した上でカバーし合っているので女性も出産育児による休暇取得や時短などに負い目を感じることなく働きやすい。(コンサルタント、女性、PwCコンサルティング)」


「入社3年目までは年収400万程度。その後、役職等によって昇給し、営業成績がよければボーナスに反映する。女性でもそれなりに評価されます。以前はとにかく数字ができる社員が評価されていたが、最近はコンプライアンス、部下への教育姿勢などもしっかり評価の対象となっていた。(営業、女性、野村證券)」


「新卒1〜2年でも年収500〜600万はいきます。また営業の場合は家賃手当も手厚く、家賃の9割を負担してくれます。今後は営業手当の廃止等の懸念はありますが、一般的な会社よりは高水準です。半年に一度上長と相談して目標を定めます。定量定性の両面でフラットに評価してくれていました。(営業、女性、アステラス製薬)」


25歳から40歳にかけての年収アップ額、1位は2倍以上アップのセールスフォース・ジャパン

女性の年齢別想定年収を見ていくと、セールスフォース・ジャパンが25歳時から40歳時にかけての「年収アップ額」が1位(+619万円)となり、そのアップ額は25歳時年収から2倍以上となっています。「年収アップ額」の2位は電通(+542万円)、3位は野村総合研究所(+537万円)、4位がアマゾンジャパン(+522万円)、5位がトヨタ自動車(+491万円)という結果になりました。


アップ額の大きい企業のクチコミを見てみると、中途入社の場合「転職で入社したら年収があがった」「成果主義で年功序列がない」という声が、新卒入社の場合「職位や入社年次に応じて一気に上がる年代がある」という声があり、入社形態と人事制度によって特徴が分かれているようです。


「前職の日本企業と比べて年収が2倍になりました。基本給に30時間の残業代が含まれています。超えた分を申請することが可能ですが、月間30時間の残業時間を超える場合あまりございません。経歴、年齢性別に関わらず、成果を出せば評価されますし、先に昇進できます。昇進と同時にもちろん給料も上がります。評価基準がはっきり設定されていますので、社員たちが公平に評価されている感じがします。(エンジニア、女性、セールスフォース・ジャパン)」


「給与は高め。福利厚生も充実しており、ウェルビーイング(運動やマッサージ等)に使えるお金も毎月一部支給される。その他の福利厚生も様々あり、全てを使いこなすことができればかなり手厚い手当になっている。実力を見たきちんとした評価制度。ポジションにもよるが、比較的上のポジションで入ると役職自体は上がりにくい印象。(カスタマーサクセス、女性、セールスフォース・ジャパン)」


「基本給に加えてRSU(譲渡制限付株式ユニット)の付与が評価に応じてある。部署によるが、同年代の平均年収は超えてくる。個人ターゲットへの達成率、チームへの貢献度、担当プロジェクトのビジネス貢献度など自分から仕事を進められたか、来期以降の改善につなげられる動きができたかなど、全てにおいて数字で表せる結果が出せた人が評価される。ある意味シンプルで風通しが良いと感じる。年功序列は一切ない。(営業、女性、アマゾンジャパン)」


「若手のうちは規定通りの階段を上がっていくケースが多い。しかし新卒入社の場合10年目くらいから、昇格にばらつきが出始める。(テクニカルエンジニア、女性、野村総合研究所)」


「基本給は職位によって決まる。職位が上がるとテーブルが一気に引き上がる。賞与はベース+加点で、職位が上がるにつれ加点の割合が大きくなる。(営業、女性、トヨタ自動車)」


データの集計について

OpenWorkに投稿された女性社員による会社評価レポートのうち、一定数の年収データをもつ497社、31,314人を対象データとしています。平均値ではなく、独自のアルゴリズムで各年齢時の年収を推定し、25歳/30歳/35歳/40歳の全ての年齢で推定が可能だった企業からランキングを作成しました。

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