コンサルティング会社が上位を独占!鍵は教育機会と希望に沿うキャリアパス
要旨:
- 1位にマッキンゼー・アンド・カンパニー、2位にローランド・ベルガー、3位にA.T. カーニーがランクイン、TOP3をコンサルティング会社が独占
- ランクイン企業からは豊富な教育機会や、希望に沿ったキャリア設計を評価する声が多く見られた
- 評価方法は各社さまざま。完全成果主義から360度評価まで、納得感があるかが鍵
慢性的な人手不足を背景に、転職希望者は7年連続で増加※1しており、今後さらに人材の流動化が進むことが予想されます。さらに民間調査※2では、転職を考えるきっかけとして「成長できる環境で働きたい」が上位に挙げられており、ステップアップ機会としての転職が一般的になってきていることがうかがえます。転職を前提としたキャリアパスの設計は学生にも浸透し始めており、今後は複数の企業で経験を積むことを前提に、いかに自身のスキルに磨きをかけられるかが重要になるのではないでしょうか。
今回の調査レポートでは、中途入社社員が「成長環境」を高く評価した企業にはどのような特徴があるのか、キャリアを積む上で重要な指標である「人事評価の適性感」の満足度とあわせて調査しました。中途入社の社員から投稿されたクチコミから傾向を分析します。
※1)総務省「労働力調査」2023年
※2)リクルート「転職活動者調査」2023年
TOP10の半数以上がコンサルティング会社!豊富な教育機会を評価する声
中途入社者による「20代成長環境」と「人事評価の適正感」の評価を集計した今回のランキングでは、TOP10にコンサルティング会社6社がランクインしました。近年、就活生からも志望先として注目を集めるコンサルティング会社ですが、中途入社の社員から投稿されたクチコミからは、さまざまな研修プログラムが提供されており、特に若手社員のモチベーションをサポートする教育環境を評価する声が多く見られました。
ランクイン企業の中途入社社員がOpenWorkに投稿した、成長環境に関するクチコミ
「人の成長にかなり注力している会社。定期的に実施されるグローバル研修、日本支社独自のコンサルスキル研修、プロジェクトメンバーが相互に成長に向けたフィードバックをし合う仕組み等、よくできた仕組み・豊富なリソースを投入しており、結果としてコンサルタントの成長スピードは早い。特に若手に関して。(コンサルタント、マッキンゼー・アンド・カンパニー)」
「新卒であろうと中途であろうと1年目から重要なロールを任されることが多いので、成長速度はかなり高いと思う。また『上から指示を出して若手はその通りの動く』という文化ではなく、『自分でまず考えてから、上にぶつけてみる』文化が強い。(コンサルタント、ローランド・ベルガー)」
「複数の制度に支えられ、一人ひとりの個性に即した能力開発を行うことが可能である。事業会社・官公庁への出向、海外トランスファー、MBA等への留学、個別の育成プログラムが整備されており、何を活用してどのようにキャリアパスを形成するか、メンターと議論をしつつ、見定め・実行していくことが可能である。(戦略コンサルタント、A.T.カーニー)」
「人材の育成にはかなり前向きで、目標設定やフィードバックは教育係がついてしっかりやってくれる。また社内の研修も豊富で、どの研修も勉強になるだけではなく楽しめるのがいいところ。あとは入社時にあまり英語力を求められないにも関わらず一定以上の昇進には英語力が必須だったりして、英語が苦手な人は結構な勉強を求められる。といっても本人任せではなく、英会話レッスンなど会社がサポートしてくれるので学ぶ環境は作りやすい。(コンサルタント、ボストン・コンサルティング・グループ)」
システム開発関連会社も多数ランクイン!希望が叶うキャリア設計が成長を後押し
コンサルティング会社に並んで多くランクインしたのはシステム開発関連会社で、TOP20社のうち7社を占めました。社員クチコミを見ていくと、自身の希望に沿ったプロジェクトや業務に携われること、キャリアパスを相談できる場があることが成長の後押しになっていることがうかがえました。一般的に、「仕事内容への満足度」が転職理由の上位に挙げられる中、転職後に「やりたいことができるかどうか」は評価を分けるポイントとなりそうです。
ランクイン企業の中途入社社員がOpenWorkに投稿した、成長環境に関するクチコミ
「若手でも手を挙げれば、非常に大きな裁量が渡される。1年目でプロジェクトのPMをやることも全然ありえる。やる気があれば、どんどん仕事は任せられ、成果を出せば、どんどん昇進できる。実力主義で、年功序列はない。上の職級の人と1対1の面談は毎月数回設けられており、キャリアについては都度その場で相談できる。基本やりたいことをやらせてくれる。(ITコンサルタント、シンプレクス)」
「手を上げた人に任せる文化がある。年に2回の上長との面談を通して、どんな技術や案件フェーズ、業界に携わりたいのか希望を伝えることができる。その希望に極力沿った仕事ができるように現プロジェクト以外も含めて取り計らってくれる。企業全体としてこの文化が根付いている。(シニアコンサルタント、フューチャー)」
「キャリアプラン(会社としてこうなって欲しい)を設けていませんが、自身が『これをやりたい』を相談すると異動を含めて前向きに検討・調整をしてもらえる。キャリアを自分でつくっていくつもりであれば選択肢が多いことはポジティブに捉えられる。(プログラマ、サーバーワークス)」
「裁量がかなり大きく、負荷に耐えられれば様々な経験を短期間で積め成長しやすい環境だと感じる。定期的にキャリアの方向性を相談できる場が設けられており、その方向性によってアサインされるプロジェクトの調整をしてもらえる環境があり柔軟なキャリア開発ができる印象。(エンジニア、チームラボ)」
評価方法は各社さまざま。完全成果主義から360度評価まで、納得感があるかが鍵
ランクイン企業の「評価制度」に対するクチコミを見ていくと、売上数字による評価、上司による評価、同僚による多角的な360度評価など、各社さまざまな評価方法を導入していることがわかります。個人がどれだけその評価方法に「納得」しているかが評価制度への満足感につながっているようです。
ランクイン企業の中途入社社員がOpenWorkに投稿した、評価制度に関するクチコミ
「フルコミッションです。『正当に評価されていない』といった不満は一切ありませんでした。全て自己責任なので。(営業、プルデンシャル生命保険)」
「数字の達成が全て、近年は多少定性的な要素も加わり始めているようではあるがあくまでも数字の早期達成がマスト。ただ、この組織はそれでいい、というかそれに居心地が良いと感じている人が多いためそのままで良いと思う。(営業、日本M&Aセンター)」
「MBO評価で半期ごとに目標を設定し、プロジェクトのPMやリーダーに評価してもらうことになる。事前に評価観点とゴール設定をして評価者と認識を合わせているため、納得のいく評価制度となっている。(コンサルタント、ウルシステムズ)」
「MBO制度を採用しており、定期的な360°サーベイを行うなど評価の納得感は高い。マネジャーによって甘辛はあるが、総じて優秀な人が昇格していて違和感があることは少ない。マネジャーやシニアになってもパフォーマンス次第では降格することもある。(営業、リクルートマネジメントソリューションズ)」
「評価は年に二回行われています。半期毎に期初に立てた目標の達成度で評価されます。週に一度、上司と面談を組んでいるので、上司が部下の仕事内容をしっかり理解し、アドバイスもくれるので評価には納得感があります。(セールス、ベーシック)」
対象データ
OpenWorkに2020年以降に投稿された、中途入社した社員・元社員による会社評価レポート187,174件を集計。
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