女性社員のクチコミ約2万件から女性が働きやすい職場を分析
要旨:
- 女性が「キャリア成長感」を得られる会社ランキング、
1位 日本ベーリンガーインゲルハイム株式会社、2位 プロクター・アンド・ギャンブル・ジャパン株式会社
「働く女性のREAL」シリーズ第2弾の今回は、「女性のキャリア成長」をテーマに分析を行いました。具体的には、「Vorkers(現:OpenWork)」に投稿された女性の2万1170件の評価レポートから、「キャリア成長感」を表す指標として4項目(20代の成長環境、人材の長期育成、人事評価の適正感、待遇面の満足度)のデータを分析しています。
集計方法について
今回の分析に当たって、Vorkers(現:OpenWork)では「キャリア成長感」を以下のように定義しました。
「キャリア成長感」:社員の成長を支える育成方針や就業機会、成長のモチベーションとなる適正な評価や報酬
そして、「キャリア成長感」を以下の計算式で定量的に算出しています。
「キャリア成長感」=(20代の成長環境+人材の長期育成+人事評価の適正感+待遇面の満足度)÷ 4
各項目は5段階評価のデータです。
女性が「キャリア成長感」を得られる会社ランキング
女性の「キャリア成長感」が最も高い会社ランキングトップは、日本ベーリンガーインゲルハイム株式会社となりました。同社はグローバルに展開する大手製薬会社。医療機関・医師を担当する営業担当者である「MR」の職種においても女性が活躍しています。「Vorkers(現:OpenWork)」に寄せられたクチコミを見ると、「何よりも社員の理解がとてもある環境であったと思います」「男女の差別なく、能力があればどんどん出世ができる環境が整っている」とあり、実際に「女性はやる気があれば飛び級で所長にもなることもある」とのことです。こうした平等な機会に対して、「むしろ、女性のほうがチャンスを十分に生かしきれていないと感じる」といったクチコミも挙がっています。
次いで2位は日用品メーカー大手、プロクター・アンド・ギャンブル・ジャパン株式会社(P&G)でした。「Vorkers(現:OpenWork)」に寄せられたクチコミを見ると、「男女の構成比はほぼ半分ずつであり、管理職女性も多く、男性と女性が同じ様に働くことが当たり前の文化」といった声がある一方で、「子供がいても手加減はないので、仕事をこなすために持ち帰り、子供たちが寝てから再度自宅で仕事に戻ること、夜のカンファレンスコール等しんどいことは確かです」と、フレックスタイムや在宅勤務制度など、子供を持つ女性が働きやすい制度が整ってはいるものの、キャリア成長を継続するためには努力が必要のようです。
「成長」という視点では、「常に自分のできることよりも上の仕事が与えられる。若いころからリーダーとしての期待値が高く、いやでも成長できる環境だと思う」「前職の3倍以上のスピードで成長している。英語であれば世界中のどこへ行ってもそれなりに仕事ができるだろうという自信がついた」といったコメントが多く見られます。
3位は株式会社コンベンションリンケージ。国際会議・医学会・コンベンション・イベント・展示会等のプロデュース、および音楽、演劇、演芸等、舞台系芸術の企画運営、自主事業を行っている企業です。「Vorkers(現:OpenWork)」に寄せられたクチコミを見ると、「実際に要職に女性の占める割合は高かったです。何と言っても、社長、執行役員と女性だったので」「女性の育児休暇を取っている人は100%らしいです。また退職後再入社の人が多いのには驚かされます」とあり女性が活躍している職場であることがうかがえます。
さらに、「医学部の教授や企業の責任者など取引先の担当者の社会的地位が高くかなり鍛えられます」「急成長会社で中途採用も多く、年齢、性別は関係ないようです。努力すれば同年代よりは収入はかなり上を得られると思います」といったコメントが見られ、女性にとってやりがいのある仕事であることがわかります。
評価点 … (20代の成長環境+人材の長期育成+人事評価の適正感+待遇面の満足度)÷ 4
※ランキングの評価点・クチコミ件数などは投稿によって変動するため、「Vorkers(現:OpenWork)」各企業ページで掲載している数値と異なる場合があります。
データの集計について
データの収集方法
「Vorkers(現:OpenWork)」の会社評価レポートへの回答を通じてデータを収集しています。
会社評価レポートの回答条件は下記のとおりです。
- 社員として1年以上在籍した企業の情報であること
- 500文字以上の自由記述項目と、8つの選択項目に回答いただくこと
8つの選択項目は、下記内容に対する5段階評価となります。
- 待遇面の満足度(待遇面全般についての満足度)
- 社員の士気(仕事に対する社内の士気について)
- 風通しの良さ(社内の風通しについて自由に意見が言えたか)
- 社員の相互尊重(社員同士がお互いを尊重し合う、チームワーク意識について)
- 20代成長環境(20代が鍛えられる、成長できる就業環境について)
- 人材の長期育成(採用した人材を30代、40代、50代と長期に育成してゆく方針について)
- 人事評価の適正感(実力のある社員が適正に評価され昇進しているか)
- 法令順守意識(社内の法令順守意識について)
対象データ
2007年7月~2014年11月に、社員・元社員の女性から投稿されたレポート回答(全2万1170件)を対象データとしています。
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