2015年 しっかり休めた会社・ガッツリ働いた会社(vol.22)

今年1年の有休消化率ランキング


要旨:

2015年しっかり休めた会社ランキング(有休消化率が高かった会社)

  • 自動車関連メーカー8社、NTTグループ7社が多数ランクイン
  • 1位は本田技術研究所、2位東日本電信電話株式会社(NTT東日本)、3位NTTコムウェア
  • トップ7社が有休消化率90%以上、16社が有休消化率80%以上
  • 有休をしっかり消化できる鍵は「組合の強さ」

2015年ガッツリ働いた会社ランキング(有休消化率が低かった会社)

  • 小売業、住宅販売業、広告代理店が多数
  • ガッツリ働いたトップ30社の平均有休消化率は20.9%

1年を振り返る機会が増える年末、今回の調査レポートでは、Vorkers(現:OpenWork)に寄せられた「現職」社員クチコミの中から、2015年の有休消化率を元に今年1年「しっかり休めた会社」、「ガッツリ働いた会社」をランキングにしました(集計期間2015年1月~11月)。各ランキングにどのような特徴があるのか、ランクイン企業のクチコミから考察しました。


2015年しっかり休めた会社ランキング

※ランキングの評価点・クチコミ件数などは集計時点の数値となるため、「Vorkers(現:OpenWork)」各企業ページで掲載している数値と異なる場合があります。


自動車関連メーカー8社、NTTグループ7社がランクイン

有休消化率が高い「しっかり休めた会社ランキング」では、1位に本田技研工業の研究開発を担う本田技術研究所、本田技研工業は7位にランクインし、その他、自動車部品などを扱うボッシュ(5位)、トヨタ自動車(13位)、ダイハツ工業(19位)、トヨタグループであるアイシン精機(16位)、アイシン・エィ・ダブリュ(23位)、日産自動車(25位)と自動車関連メーカーがトップ30に8社ランクインしました。

また、NTTグループはNTT東日本(2位)、NTTコムウェア(3位)、NTTドコモ(6位)、NTT西日本(8位)、ドコモCS(9位)、NTTコミュニケーションズ(14位)、NTTデータ(17位)と、トップ30内に7社ランクインする結果となりました。


有休をしっかり消化できる鍵は「組合の強さ」

ランクインした上位企業は9割を超える有休消化率となっています。Vorkers(現:OpenWork)に寄せられた各社の社員クチコミを見ていくと、共通して「労働組合の強さ」が見えてきました。社員の有休消化状況を組合が管理し、管理職も含めた現場への有休取得喚起を徹底することで、有休を取りやすい環境を作っていることがうかがえます。


「入社と同時に、組合加入が認められ、中途入社の方を含めほぼ100%が組合員になる。組合員である以上残業オーバーはゼロ、有休消化は確実で、年に1度5連続有休も取得可能。(本田技術研究所、男性)」


「労働組合が非常に強いため、1年間で付与される年休は誰もが完全消化します。プライベートな面から言えば非常に恵まれた環境だと思います。反面、多くの社員が年休を完全消化することで業務が滞る場面も。(NTT東日本、女性)」


「ノー残業デーが週二回ある。また、給料日もノー残業デーになる。そのため、アフター5の確保はとてもしやすい。組合が強いため、サービス残業やサービス休日出勤はあり得ない。(NTTコムウェア、男性)」


「就業時間はフレックスなので、調整しやすい。また、労働組合が強いため有給休暇の取得が必須となっており、本人が計画的に業務を調整できる限り、自由に有給休暇の取得ができる。有給休暇が取りにくいという雰囲気はない。(ボッシュ、女性)」


「労働組合が非常に強く、管理者は部下社員の有給休暇の取得を厳しく指導されます。また、時間外労働(残業)も厳しく管理されており、いわゆるサービス残業的なものは生じにくい制度になっています。有給休暇は1時間単位で取得することができ、在宅勤務の制度もあります。(NTTドコモ、男性)」


「コアタイムもあり、制度としては整っている。ノー残業デーもあり、有休も100%消化することが推奨されている。組合が強いイメージがあり、部下がきちんと有休消化しないと管理者にクレーム入ることがあるとのこと。(本田技研工業、女性)」


2015年ガッツリ働いた会社ランキング

※ランキングの評価点・クチコミ件数などは集計時点の数値となるため、「Vorkers(現:OpenWork)」各企業ページで掲載している数値と異なる場合があります。


有休消化率30%未満。小売・住宅・広告が多数

有休消化率が低い「ガッツリ働いた会社ランキング」では、小売業、住宅販売業、広告代理店が多く見られる結果となりました。小売業では土日が出勤であることが多く、「連休が取りづらい」「人員不足で休めない」といったクチコミが多く見られました。住宅販売業においても土日が営業の要であり、担当顧客の対応などで休日も携帯電話を手放せないといった休みづらい状況があるようです。広告代理店においては、クライアントに合わせたスケジュールとなることが多く、イベントや撮影などで土日返上になるなど「有休を取る暇がない」といった多忙な状況が有休消化率の低さにつながっていることが垣間見られました。なお、ガッツリ働いた会社30社の平均有休消化率は20.9%となりました。


データの集計について

データの収集方法

「Vorkers(現:OpenWork)」の会社評価レポートへの回答を通じてデータを収集しています。

会社評価レポートの回答条件は下記のとおりです。

  • 社員として1年以上在籍した企業の情報であること
  • 500文字以上の自由記述項目と、8つの選択項目に回答いただくこと

以下の2つのデータについても収集しています。

  • 月間残業時間(実数)
  • 有休取得率(実数)

対象データ

2015年1月~11月にVorkers(現:OpenWork)に投稿された会社評価レポートのうち、「現職」社員のレポート回答者数が10人以上ある企業211社のレポート回答4,899件を対象データとしています。

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