24卒就活生が選ぶ、就職注目企業ランキング【大学別編】(vol.105)

東大、京大、早慶、MARCH、関関同立、学生が注目する企業の傾向は?


要旨:

  • 24卒学生全体の総合ランキングでは、1位アクセンチュア、2位レバレジーズ、3位NTTデータ
  • 東大生はコンサルティング企業、京大生は関西圏の企業への注目が高い傾向
  • 早大生はtoCサービス企業や商社、慶大生は金融会社・広告代理店への注目が高い傾向
  • MARCH学生はIT業界企業、関関同立学生は関西圏の企業への注目が高い傾向

24卒学生向けの企業の採用活動が3月1日から解禁され、いよいよ就活シーズンが本格化し始めました。今年の採用活動は、全国各地で企業の合同説明会イベントや対面形式での選考が復活し、新卒採用予定数を増やす企業が前年と比べ約3割増加(※)するなど、活況となることが予想されます。


採用側の視点に立つと、政府が発する採用選考開始期間(6月1日以降)より早期に内定を出したり、初任給の引き上げる動きを取る企業が増えていたりと、人材獲得競争は一層激しくなりつつあります。こうした状況の中、当事者である24卒学生は実際にどういった企業に注目しているのでしょうか。


今回の調査レポートでは、24卒のOpenWorkの学生ユーザー約16万人(2023年3月時点)が、OpenWork上でどのような企業に注目し検索をかけたか、企業研究を始めているのかを調査しました。本編では、大学別の注目企業ランキングとして、東京大学、京都大学、早稲田大学、慶應義塾大学、MARCH、関関同立それぞれの学生が注目する企業を発表します。

(※)マイナビ「マイナビ2024年卒企業新卒採用予定調査」


24卒学生【総合】就職注目企業ランキング

早くから成長できる企業が高い注目を集める傾向に

OpenWorkに登録している24卒学生が、OpenWork上で検索をかけた企業を集計した今回のランキング。全体としては、1位アクセンチュア、2位レバレジーズ、3位NTTデータという結果になりました。アクセンチュアは東大・京大・早大・慶大でも1位、レバレジーズはMARCH・関関同立で1位にランクインしました。


注目度が高い企業の共通点としては、「20代成長環境」への社員からの評価が高いことがあげられます。(上位5社中4社は「20代成長環境」の社員評価スコアが4.5超)。実際に企業の採用サイトを覗くと、「早期から裁量権が与えられる」「20代のうちにリーダー職になる人が多い」といった発信が多く見受けられます。


背景としては、「転職前提の就職活動」という若い世代のキャリア観、ジョブ型雇用の推進などによるキャリア初期におけるスキルセットへのニーズの高さが考えられます。また、最近では「ゆるい職場」、「クワイエット・クィッティング(静かな退職)」という言葉を見かける機会が増えており、今後ますます若手の裁量権の大きさに関する注目度は増していくことが考えられます。


24卒学生【東大・京大】就職注目企業ランキング

コンサルティング企業への根強い注目を寄せる東大生、関西圏の企業を中心にメーカー系企業も注目を寄せる京大生

東大生と京大生共に1位にランクインしたのはアクセンチュア、2位は野村総合研究所という結果となりました。双方のランキングを比較して分析すると、東大生のランキングではマッキンゼー・アンド・カンパニーやボストン・コンサルティング・グループ、三菱総合研究所といったコンサルティング・シンクタンク業界企業がランキングの半数以上を占めており、東大生の根強いコンサル系企業への興味関心の高さが見られます。


また、他大学生のランキングを見渡しても、東大生ランキングでのみランクインした企業はゴールドマン・サックス証券という結果になりました。


一方、京大生のランキングでは関西電力、サントリー、パナソニックといった関西に本社を置く企業が多くランクインした一方、旭化成、トヨタ自動車といった大手メーカー企業もランクインする結果となりました。


東大生・京大生が注目した企業ではどういった働きがいや成長環境があるのか、新卒入社した社員のクチコミから見ていきます。


「一緒に働くチームメイトは頭が良くやる気のあること、上司も基本的にいつもサポーティブであること、クライアントは○長級(本部長、部長など)が多く大きなワークストリームを任せてもらえること、パフォーマンスが評価ないし給与に直結していること等から、働きがいはかなりあると思う。(コンサルタント、女性、マッキンゼー・アンド・カンパニー)」


「周りが優秀な人ばかりなので、いやでも切磋琢磨される。係る案件も新聞紙面を飾るような大規模案件が多く、結果が見えるので士気も自然と上がる。(投資銀行、男性、ゴールドマン・サックス証券)」


「日常生活をおくるのに欠かせない電力を通じて社会全体を支えているという実感がある。また、新規事業など電力会社というスケールの大きさを活かした新しいフィールドでのチャレンジができる。(技術系総合職、男性、関西電力)」


「各々に与えられる裁量が広いため働きがいは高いと感じる。素材メーカーならではの自由度の高いビジネスをつくる楽しさが経験できる。(技術職、男性、旭化成)」


24卒学生【早大・慶大】就職注目企業ランキング

toC向けサービス企業や商社への関心がある早大生、不動産・金融・広告代理店に注目する慶大生

続いて、早大生と慶大生のランキングを比較すると、早大生のランキングではtoC向け(一般消費者向け)のサービスを展開する企業が多くランクインする傾向にありました。また、他の大学のランキングと比較して早大生ランキングのみでランクインする企業として伊藤忠商事がありました。


一方、慶大生のランキングでは不動産・金融・広告代理店業界が多くランクインする傾向にありました。特に、電通と博報堂は総合/他大学と比較しても慶大生ランキングのみで登場し、早大/他大学と比較すると特徴のひとつであることが考えられます。


24卒学生【MARCH・関関同立】就職注目企業ランキング

IT業界に注目しているMARCH学生、関西拠点企業に注目している関関同立学生

最後に、関東の有名私大グループであるMARCH(明治、青山学院、立教、中央、法政)と関西の有名私大グループである関関同立(関西・関西学院・同志社・立命館)のランキングを分析。


MARCHのランキングでは、SCSKや日本IBM、伊藤忠テクノソリューションズやNECといったIT業界企業が関関同立と比べ多くランクインする傾向にありました。


一方、関関同立のランキングでは、京大と同じくサントリーや関西電力、パナソニックが登場しますが、京大生のランキングでは登場しなかった京セラや村田製作所、クボタといった関西に本社がある企業がランクインしたのが特徴と言えそうです。


データの集計について

OpenWork 24卒学生ユーザー160,611名(2023/3/6時点)に限定し検索企業を集計しました。東京大学:2,905名、京都大学:2,080名、早稲田大学:5,588名、慶應義塾大学:4,770名、MARCH(明治大学・青山学院大学・立教大学・中央大学・法政大学):14,002名、関関同立(関西大学・関西学院大学・同志社大学・立命館大学):10,852名

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