入社をおすすめできる理由は「転職前提キャリア」「心理的安全性」にあり
要旨:
- 1位にベイン・アンド・カンパニー・ジャパン、2位にユーザベース、3位にコスモスイニシアがランクイン
- TOP10のうち7社は日系企業がランクイン
4月に入り、コロナ禍の就職活動を乗り越えた新入社員が新生活をスタートさせました。「新入社員は3年で3割辞める」(※)という定説は言われて久しいですが、昨今のジョブ型雇用導入や終身雇用制度の終焉を背景に、就“社”ではなく就“職”を意識した「転職前提」のキャリア観を持つ学生も増えています。これから先の長いキャリアに生かせる「ポータブルスキル」を早くから身に付けられる企業かどうか、というポイントは、今後の企業選びの軸として、また入社者による評価や満足度に繋がる要素としてますます重要になってくるのではないでしょうか。
今回の調査レポートでは、新卒入社した社員による会社評価に着目しました。OpenWorkへ会社評価レポートを投稿する際「あなたはこの企業に就職・転職することを親しい友人や家族にどの程度すすめたいと思いますか?」という質問に0~10点で回答するネットプロモータースコア(NPS)を、20代の新卒入社社員(2015年以降入社)に限定して集計し、ランキングを作成しました。若手社員が「新卒入社してよかった」と感じている企業にはどのような特徴があるのでしょうか。
(※)厚生労働省「新規学卒就職者の離職状況」調査。令和2年度における新規大卒就職者の就職後3年以内の離職率は31.2%
新卒入社してよかった会社ランキング2022
※ランキングの評価点・クチコミ件数などは集計時点の数値となるため、「OpenWork」各企業ページで掲載している数値と異なる場合があります。
1位はベイン・アンド・カンパニー。おすすめの理由は「転職に活かせる市場価値の高いスキル」にあり
2015年以降に新卒入社した若手社員が、どれだけ入社を勧めたいかを集計した今回のランキング。0~10点をつけるスコアにおいて、外資系コンサルティングファームのベイン・アンド・カンパニー・ジャパンが、2位と0.4ポイント近く差をつけて1位となりました。他にもマッキンゼー・アンド・カンパニーやボストン・コンサルティング・グループも上位にランクインしており、コンサルティング業務を通じてキャリアの早い段階から高いスキルを得られる環境は「おすすめできる」理由に繋がっていそうです。実際に新卒でコンサルティングファームに入社した社員のクチコミを見ていきましょう。
「質の高いコーチングをレベルの高い社員から受けられる。国内外を代表する大企業のCXOアジェンダに、新卒1年目から取り組める。幾度となく難題を解決していく中で、どんな困難にぶち当たっても何とかできる、という自信が付いた。(コンサルタント、男性、ベイン・アンド・カンパニー)」
「自己成長の実感が強くある。どこに転職するにも生きるポータブルスキル(分析、仮説思考、コミュニケーション力など)を培うことができる。(コンサルタント、女性、ベイン・アンド・カンパニー)」
「20代、特に新卒にとって、この会社ほど成長できる環境はないと思う。平均3ヶ月でプロジェクトを変わっていくため、その度に新しい業界・業務をすることができる。慣れてきたと思ったら、のプロジェクトに入るサイクルが続くため、常にコンフォートゾーンに落ち着くことが強制的にできない環境になっており、成長ができる。(ビジネスアナリスト、男性、マッキンゼー・アンド・カンパニー)」
「一流コンサルティングファームのノウハウを身につけることができ、どこに転職しても使えるスキルが身につけられる。(コンサルタント、男性、ボストン・コンサルティング・グループ)」
カルチャーフィット、裁量権の大きさ、社員の人柄の良さ… 若手が主体的に活躍できる「心理的安全性」の高い組織
トップ30にランクインした企業の新卒入社社員によるクチコミを見てみると、納得感のある組織カルチャー、若手の内から裁量があり活躍を応援してくれる風土、一緒に働く社員の人柄や風通しの良さ、といった「心理的安全性」の高い職場・組織であることを評価する声が見られました。入社してからもリアリティー・ショックが少なく、納得感を持って仕事に打ち込める環境は「おすすめできる」理由に繋がっていると言えそうです。転職が前提となってきている労働市場において企業が学生や若手社員から選ばれるには、自身のスキルアップやキャリアアップに繋がると実感できる成長環境を整える必要がありそうです。
「嘘偽り無くフラットで、オープンなカルチャーです。人間性のフィットを重視してとても慎重に採用を行っているので、ほんとに良い人しかいないです。また、全員に『正しいことを正しくやろう』という意識が浸透しているので、物事の進め方も非常に合理的です。もちろん改善点は多々ありますが、どんなに小さなことでもどんどん変えていくことが出来ます。(SPEEDA、男性、ユーザベース)」
「1年目から億単位でのプロジェクトを担当でき、自分で意思決定をしなければいけない場面が多々ある点において裁量権があると感じられるところ。常に自分はどうしたいのか、ということを問われるので、主体性を持って働ける環境。自主的に取り組めば色んなプロジェクトや案件に携われることができ、様々な経験をすることができるので、他社よりも広い範囲で様々な経験ができた。(営業、男性、コスモスイニシア)」
「基本的には自分で問題を掲げ、行動していく人が評価される。Googleのカルチャーとして、既存のやり方に固執せず新しいアイデアを歓迎するため、好奇心旺盛な人が多くいろんなアイデアにオープンな雰囲気がある。また、CEOから直接メールが届いたり、グローバルヘッドとの距離が近く感じられるのも、Googleならではの特徴かと思う。(営業、女性、グーグル)」
「入社してからずっと社員の中に嫌いな人は1人もおらず、人の良さに触れる日々です。自身の力を自由に発揮でき様々な方向性で人に利益をもたらさられる点から、とても働きがいのある会社です。裁量権が大きく、営業の仕方は自由、訪問企業も加工先選定も個人に任されています。よって、自分の力を発揮しやすい環境にあります。そこから出した成果が、お客様、協力加工先だけでなく社内のチームのメンバーにも利益を生み出せることに働きがいを感じます。(営業、女性、ISSリアライズ)」
「社員は非常にさわやかで朗らかな、人間性に優れた方が多い印象。いわゆる世間からのイメージとしての『サントリーっぽい人』が実際に多い。そのため、人間関係はかなり良好な部署が多いと感じる。働き甲斐、働きやすさとはつまるとこと一緒に働く人間を尊敬できるか否かにかなり依存しているところがあると考えており、その点については満足度が高い。(営業企画、男性、サントリーホールディングス)」
データの集計について
OpenWorkに投稿された、2015年以降に新卒入社した社員による回答122,981件を対象データとしています。
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