コロナ影響業界の『チーム力』企業ランキング(vol.73)

コロナの影響が大きい業界の社員の声は


要旨:

  • フードサービス、飲食業界1位はスターバックス コーヒー ジャパン、2位は物語コーポレーション、3位は丸亀製麺
  • 旅行、ホテル、旅館、レジャー業界1位はルネサンス、2位はABC Cooking Studio、3位はエクスペディアホールディングス
  • 小売(百貨店・専門・CVS・量販店)業界1位はユナイテッドアローズ、2位はドン・キホーテ、3位は良品計画

5月末に新型コロナウイルスの感染拡大に伴う緊急事態宣言が解除されましたが、今後も引き続き3密の回避等「新しい生活様式」による感染拡大防止が個人及びすべてのサービス、企業に求められます。未曽有の変化に不安を感じる人も多く、日本生産性本部が発表した調査(※1)によると、感染拡大の影響で雇用に不安を感じているかという問いに、「かなり不安を感じる」、「どちらかと言えば不安を感じる」と回答した人は合わせて47.7%と半数近くになりました。特に宿泊業では85.7%、飲食サービス業で75.6%と、大きく影響を受ける業界では不安が募っています。


今回の調査レポートでは、コロナによるマイナス影響が大きいとされる業界(※2)の中から、「飲食」「レジャー」「小売」業界に着目し、社員の士気とチームワークが高い企業を調査しました。今年に入ってから投稿された社員クチコミを集計することで、各業界の「今」を探るとともに、コロナ禍における社員の声も掲載しています。

※1)2020年5月22日発表 日本生産性本部「第1回 働く人の意識調査」

※2)2020年6月9日発表 帝国データバンク「新型コロナウイルス感染症に対する企業の意識調査(2020年5月)」


フードサービス、飲食業界

※ランキングの評価点・クチコミ件数などは集計時点の数値となるため、「OpenWork」各企業ページで掲載している数値と異なる場合があります。


フードサービス、飲食業界の1位はOpenWorkの業界別総合評価ランキングでも常に上位のスターバックスという結果になりました。多くのチェーン店では接客方法などのマニュアルがある中、スターバックスではサービスマニュアルが無く、社員を始め従業員ひとり一人の自主性が求められることがクチコミからもうかがえます。なお、業界内のコロナ禍の声には、厳しい声も見られました。


「企業理念を社員だけでなく店舗ごとのアルバイトもしっかりと理解し実践できるレベルにまで落とし込んでおり、それがサービスマニュアルがなくても自発的に店舗運営を行っていけるところ、ひいてはブランド力を高める部分に大きく結びついていると思う。また失敗を恐れずに取り組む姿勢や、周りの成長に対しての賞賛の文化もあり、成長志向が高い人が多い。(店舗営業、女性、スターバックス コーヒー ジャパン)」


「自分で考え行動する。責任もあるかもしれないですがトップダウンで言われたことだけをやる作業的な仕事ではないので、考えたり新しいことにチャレンジすることがしやすいです。時にはミスや失敗もしますが、それを責めたり怒ったりせずに、同じことを繰り返さないために上司が一緒に考えてくれます、成功した時の喜びはかなり大きいです。(店長、女性、物語コーポレーション)」


「チャレンジ精神がある会社です。やる気と、コミュニケーション能力のある人は、上に登れる会社だと感じています。しかしながら、男性中心の会社ではあるので、女性の社員はまだまだ少なめ。女性店長は多いですが、MGRやCMGRになれてる方は、まだいないです。その点に関しては、まだ、成長過程と言えます。(店長、女性、丸亀製麺)」


コロナ禍の声
「現状コロナウイルスの影響で様々な対応が強いられている。アルバイトさんたちの雇用も自分たちの雇用も守る為致し方ないと思っている。(飲食事業)」

「コロナの環境ではあるものの、外食、中食、内食と食品にかかわるすべての業態を持ち合わせているのでどうにでも奮起できると思う。(食品、飲食事業)」
「コロナウイルス騒動時、金銭的保証はなにもなかった。働いている社員と休みになった社員の給料は同じであり、具体的な保証などの説明はなかった。働いた分、手当てを付けるべきだと思う。(飲食事業)」


旅行、ホテル、旅館、レジャー業界

※ランキングの評価点・クチコミ件数などは集計時点の数値となるため、「OpenWork」各企業ページで掲載している数値と異なる場合があります。


旅行、ホテル、旅館、レジャー業界の1位はフィットネスクラブ等を運営するルネサンスとなりました。社員クチコミからはチームワークの高さや、上司や同僚とコミュニケーションを取りやすい組織風土である声が多く見られました。コロナ禍の声では、厳しい局面での企業の対応を評価する声や、今後の課題を挙げる声が多く見られました。


「入社1年目でスタジオレッスンなどを担当することになり多くのお客様に喜ばれることによってとても働きがいを感じた。また、クラブに配属になってる社員は各セクションあまり多くないのでパートナースタッフとの業務が多くなります。チームで協力して業務やイベントを成功させることができた時はとてもやりがいを感じることが出来ます。(トレーナー、男性、ルネサンス)」


「成長・キャリア開発:性別も年齢も違う様々な対象の方に、目に見えないサービスの価値を説明し、購入していただくというスキルが身につく。インプットアウトプットの機会が多くあり、営業だけでなく料理などのスキルもアップする。毎月とクォーター毎の売り上げなどの目標を達成するために日々の動態や先を見据えた計画の立て方、修正の仕方が身につく。(スタジオ勤務、女性、ABC Cooking Studio)」


「自分がステップアップをしたいと思った時に、社内公募に応募できる。また、常にマネージャーと面会があるため、上司に相談したり、仲間とも相談できる。(営業、男性、エクスペディアホールディングス)」


コロナ禍の声
「旅行業が中心のため、今回のコロナウイルスの影響が多大に来ております。今後も同じような事があった場合、立ち直りが厳しいと思うので新しい事業の開拓が必要だと感じます。(旅行代理店)」


「今回のコロナの事態においても、出勤日が減って自宅待機の日が続いていますが全従業員に対して解雇など一切なく80%の給料が保証されるなど生活において不安を感じさせないところがありがたいです。(ホテル)」

「(ワーク・ライフ・バランスについて)コロナウィルスの自粛ムードに入ってからかなり充実した。フレックスタイム制や在宅勤務、横浜や大宮でのサテライト勤務など、多様な働き方ができるようにいろいろ取り組んではいる。(旅行代理店)」


小売(百貨店・専門・CVS・量販店)業界

※ランキングの評価点・クチコミ件数などは集計時点の数値となるため、「OpenWork」各企業ページで掲載している数値と異なる場合があります。


小売業界の1位は多くのセレクトショップを展開するユナイテッドアローズとなりました。小売業界のコロナ禍の声として、初期には閉店判断や店舗スタッフへの対応の遅れ等を指摘する声が多かったものの、最近ではスーパーマーケットやドラッグストアなど、エッセンシャルワーカーによる「人々の生活に根ざしたサービスを提供する働きがい」を挙げる声が増えてきています。


「お客様のために!という熱い心がみんなあるからやりがいが感じられる。店長や、直属の指導係が指摘をしてくれるためダメなところもいいところも伸ばせるような環境だからこそ働きがいに繋がっていると思う。(販売、女性、ユナイテッドアローズ)」


「やりながら、ひらめきを通じて覚えていくスタイル。マニュアル通りにやる人には向かないが、試行錯誤が好きな人にはとても向いている。大きな失敗をしても、笑って経験としてくれる余裕のある会社である。(SE、男性、ドン・キホーテ)」


「店舗のスタッフ合わせてチームで運営するので、コミュニケーションをとりながら成果を出すのは楽しい。(販売、女性、良品計画)」


コロナ禍の声
「お客さまの食を支えるという意味ではとてもやりがいを感じる職業ではある。また、コロナウイルスの影響もある中で、こういった職業は生活になくてはならないものという認識がさらに高まった。また、会社としても社員を大切にしており、給付金やボーナス、福利厚生などはしっかりしている。(スーパーマーケットチェーン)」
「今回コロナによるイレギュラー対応を余儀なくされたが、休校による欠勤は6割とかではなく満額出してくれる。予防用のマスクや消毒液も用意してくれてかなり助かるし、しっかり対応してくれたのでこの会社はすごいと思った。(ショップ運営)」
「インバウンドの崩壊/コロナによる対面販売の縮小といった現在、新たな営業基軸を早急に実現出来るか?を期待しています。机上論では無く、現場とお客様に寄り添った陣頭指揮を取って貰いたいです。(百貨店)」


データの集計について

データの収集方法

「OpenWork」の会社評価レポートへの回答を通じてデータを収集しています。

  • 社員として1年以上在籍した企業の情報であること
  • 500文字以上の自由記述項目と、8つの選択項目に回答いただくこと
  • 月間残業時間(実数)、有休消化率(実数)についても収集

対象データ(集計期間:2020年1月~2020年6月)

OpenWorkに投稿された、「小売(百貨店・専門・CVS・量販店)」「旅行、ホテル、旅館、レジャー」「フードサービス、飲食」業界の会社評価レポートのうち、回答者数が5人以上ある企業を対象データとしています。

会社評価レポートの回答ページを見る ≫

働きがい研究所

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