社員が支持するIT社長ランキング(vol.50)

拝啓、社長殿。実際に働く社員だから言える本音とは

要旨:

  • スコアが高いほど、社員からの評価はフラットおよびポジティブなものへ
  • 創業者がカリスマであるほど「後継者問題」への懸念が見られる
  • その反面、勢いを止めないでほしいというクチコミも見られた
  • 中には新サービスにつながるような提言も

尊敬、不満、支持、失望・・・自分が働く企業の経営者に対し、社員が感じている本音や課題には、どんなものがあるのか。今回の調査レポートでは、IT業界の経営者に焦点を当て、Vorkers(現:OpenWork)の評価項目である「経営者への提言」の社員クチコミをディープラーニングによって解析し、経営者がどのくらい社員から支持をされているのかをスコア化しランキングを作成しました。


「この企業の経営者へ、この企業をより発展させるための提言をするならば、どのような事を伝えますか?」この質問への答えから見える、支持される経営者とは?Vorkers(現:OpenWork)だからこそ集まる、社員の本音にはどのようなものがあるのでしょうか。


社員が支持するIT社長ランキング

※ランキングの評価点・クチコミ件数などは集計時点の数値となるため、「Vorkers(現:OpenWork)」各企業ページで掲載している数値と異なる場合があります。


スタートトゥデイ(代表取締役社長 前澤友作氏)


「これからも企業理念に従って我が道を突っ走って欲しい。数少ない日本企業でも応援したい経営者である。(役職なし、男性、スタートトゥデイ)」


「たくさんの拠点を持ち雇用を生んで企業理念を達成していただきたい。(役職なし、男性、スタートトゥデイ)」


「現場は見なくてもいいので、ZOZOTOWNの認知度あげるためにいろいろとイベントを仕掛けていって欲しい。社長がかんがえていること、方向性のことについて話してほしい。(中略)技術的な面では、CTスキャン的なもので体のデータをとり、実際のサイズ感というもの体感、様々な商品の組合せが自分でできるような仕組みをリアル店舗での協力のもとやってほしい。(体のデータが実際にとれるのは、各店舗のみ、各店舗としては試着する必要がなくなり、コーディネートの提案等しやすくなると思うし、お客様からすると、試着の手間が省ける。また、そこで採れた体のデータでZOZOTOWNでも利用可能になるといった仕組み)(フルフィルメント部、男性、スタートトゥデイ)」※2012年の社員クチコミ


ソフトバンクグループ(代表取締役会長兼社長 孫正義氏)

「社長のビジョン、戦略性、実行力は群を抜いていると思います。次世代のことを考え、会社としての意思決定力、エコシステムの構築のフェーズになっているように感じます。(マーケティング、男性、ソフトバンクグループ)」


「わかりやすいワンマン企業であるため、当然次世代が重要。今は孫さんの経営手腕に曇りがなければ発展するのは間違いない。(法人営業部、男性、ソフトバンクグループ)」


「孫社長は間違いなく、カリスマ的な経営者です。ですが、後任者育成が今後の課題なのではないかと思います。(国内通信事業、男性、ソフトバンクグループ)」


サイバーエージェント(代表取締役社長 藤田晋氏)


「突っ込む所は徹底的にリソースを注ぎ、無理なら引く。この潔さをこれからも継続し、サイバーの持ち味で成長の核であるチャレンジを常に仕掛けてください。会社の成長に伴いステークホルダーも増え様々な意見もあると思いますが、立ち止まったら終わりだと思います。(営業部、男性、サイバーエージェント)」


「若いノリでずっとやっていくのかもしれませんが、年を重ねていく人たちがずっと働ける環境を作るのも大事だと思います。優秀な人が長くいれるような仕組みと評価を作ってもらいたいです。(セールス、女性、サイバーエージェント)」


「21世紀を代表する会社という理念にふさわしい、社会貢献できる会社を真摯に目指してほしいです。(係長、男性、サイバーエージェント)」


楽天(代表取締役会長兼社長 三木谷浩史氏)


「6人のスタートアップから10,000人以上規模の上場企業にまで成長させた社長には、心から敬意を表したい、学べることはぜひ学びたい。反面、このまま強い社長だけが独り歩きしてしまうと、必ずいつか後継問題が顕在化し、会社を存続させていくことが難しくなりかねない。社長以下のManagementにも、強いリーダーシップが必要。(開発部門管理職、男性、楽天)」


「三木谷さんがいるから、すぐにスピード対応できる。それが強みであり、最大の武器。今後もそのスピード感で成長してほしい。(ECコンサルタント、女性、楽天)」


「海外事業展開を是非成功させて欲しいです。未だにWebサービス事業害者で海外展開に目立った成功をしている企業は極めて少ないと思っており、楽天は持っている事業と資本を持って海外での成功のロールモデルになって欲しいと考えています。海外の市場状況の把握や、現地におけるロビー活動などが重要になるのではないかと思います。(開発部、男性、楽天)」


DeNA(代表取締役社長兼CEO 守安功氏)


「永久ベンチャーを標榜しつつ、やはり重たい組織になりつつあるので、大企業病に陥らないように常に軽く柔軟でスピード感のある組織であってほしいと思います。(EC事業本部、男性、ディー・エヌ・エー)」


「もっと時間をかけて経営陣の思い、目指している姿を社員に伝えた方が、メンバーのモチベーション維持や創造力発揮につながるかと思います。また、会社の弱み・失敗を素直に受け入れて、強がりではなく課題に直視し改善にフォーカスしてほしい。なお、どうやってメンバーのやる気を引き出すか工夫する余地が多い。(マーケティング本部、男性、ディー・エヌ・エー)」


「社員の活気を醸成するためにも、開き直って、再度やんちゃなチャレンジ(合法、倫理的だがやんちゃな)をどんどんしていきましょう。(部長、男性、ディー・エヌ・エー)」


フューチャー(代表取締役会長兼社長 金丸恭文氏)


「向上心が高く技術力の高い社員が集まっている点を活かして、R&D部門に投資し、より革新的な技術・サービスを生み出す下地を整えてほしい。プロジェクト・マネジメント技法を会社として蓄積し、優秀な社員が良いシステムを作るのに集中する後押しをしてほしい。(コンサルタント、男性、フューチャー)」


「人材の定着化が課題だと思う。新卒は優秀な人材が多く入ってきているので、その人たちにどういうキャリアパスでどういう道があるかを示す必要がある。今はロールモデルとなる人が比較的少ないように感じる。人が中心となるビジネスなので、そこを強化してほしい。(コンサルタント、男性、フューチャー)」


「後継者の育成を本気で取り組まれることを強く願います。(コンサルタント、男性、フューチャー)」


ワークスアプリケーションズ(代表取締役最高経営責任者 牧野正幸氏)


「創業以来始めて外部から経営者を招きました。英断だと思います。プロ経営者のノウハウも活用し、一段上のレベルに成長できればと思います。(管理部門、男性、ワークスアプリケーションズ)」


「新卒ワークスは自分のビジネスパーソンとしての基礎であり、ぶち壊していける大きな力になりました。もっともっと社内の優秀な人材が会社を盛り上げてくれることに期待しています。(管理、女性、ワークスアプリケーションズ)」


「経営者の魅力がこの会社の魅力であることは否めない。月一回の全社会議はこれからも続けて欲しいし、今までのような熱くかつロジカルでポジティブ(楽天的ではない)な話を聞きたい。企業経営者が会社運営に携わっていることがベンチャーとおっしゃっているが、その言葉通り、個人的には身体を大事に長く携わっていただきたい。(コンサルタント、男性、ワークスアプリケーションズ)」


グリー(代表取締役会長兼社長 田中良和氏)


「GREEを作ったときのように初心にかえってサービスづくりをすればきっとまたヒット作がでると思う。そうはいっても、経営陣の新陳代謝が悪いので、勢いのあるメンバーを抜擢してアグレッシブな経営ができるように全体の組織を見直した方がよい。(広告営業、男性、グリー)」


「育てたビジネスアイデアは、キャッシュがあるうちにじっくり育て上げて、勇気をもって投資していくことも重要だと思います。(スタッフ、男性、グリー)」


「業界内では相対的にウェブ技術に強みがあったはずだが、それを発展させ、来たるべきウェブの再隆盛に備えるといった技術的な予測に基づく投資があってもいいと思われる。外国からの人材が活躍できるようにするべきである。(開発本部、男性、グリー)」


データの集計について

データの収集方法

「Vorkers(現:OpenWork)」の会社評価レポートへの回答を通じてデータを収集しています。

会社評価レポートの回答条件は下記の通りです。

  • 社員として1年以上在籍した企業の情報であること
  • 500文字以上の自由記述項目と、8つの選択項目に回答いただくこと

以下の2つのデータについても収集しています。

  • 月間残業時間(実数)
  • 有休取得率(実数)

対象データ

Vorkers(現:OpenWork)へのレポート回答のうち「経営者への提言」の回答が10件以上ある「インターネット」「SIer、ソフト開発、システム運用」業界の企業より8社をピックアップしランキングを作成。(集計期間:2007年7月~2018年6月)

会社評価レポートの回答ページを見る ≫

働きがい研究所

1,700万件以上の社員クチコミと評価スコアを持つOpenWorkが、データから「働きがい」を調査・分析するプロジェクト。質の高いデータが集まるOpenWorkだからこそ見える視点で、様々な切り口による企業ランキングや、専門家による分析レポートなどを発信しています。