新型コロナウイルス禍で定着したリモートワークを見直す企業が増えています。従業員に対してオフィスへの出社を義務づけたりフルリモート勤務を廃止したり、一部企業による「出社回帰」の動きが目立つなか、実際に働く人たちはどのような働き方を理想と考えているのでしょうか。「個人」のキャリア情報をオープンにするコミュニティサービス「OpenWork キャリア」での「理想的なリモートワーク頻度」に関するビジネスパーソンの回答をまとめました。
最多は「週 5 日(フルリモート)」
OpenWork キャリアでの「理想的なリモートワークの頻度はどのくらいですか?」という質問に対するユーザー549 名(3月 27 日時点)の回答を分析したところ、「週 5 日(フルリモート)」と回答した人が 27.4%(150 名)で最多となりました。次いで「週 3 日」が 26.0%(143 名)、「週 2 日」が 17.9%(98 名)。一方、まったくリモートワークをしなくても良いと感じている「毎日オフィスに出社」を選択したのはわずか 4.7%(26 名)という結果になりました。
リモートのメリットはあるが...コミュニケーションには難しさも
「週 5 日」と回答したユーザーのコメントからは、リモートワークの利点として自宅から会社までの通勤時間を削減できることや、家庭と両立しやすい点を挙げる声が見られました。ただ、これは「絶対に出社したくない」ということではなく、必要があれば出社したい、リモートと出社を柔軟に選択できることが理想だとする声もありました。
また、「フルリモート派」のなかにも、同僚と直接顔を合わせることができないために偶発的な会話が生まれにくく、コミュニケーション上の難しさを感じていることがうかがえました。
<「週 5 日」と回答したユーザーのコメント>
フルリモートで通勤時間を削減できれば作業時間にも当てられるので効率が良い。(30 代、SE)
週○回出社などでなく、業務やプライベートに応じて毎日選択できることがベストだと思います。多くのオフィスワーカーがリモートワークを経験した中、出社頻度を決めると、子育てや介護でリモートワークが必要な方対する不公平感も生まれがちだし、不必要な不協和音になり得るので、決めないでほしいと思っています。(30 代、マーケティング)
オフィスでのコミュニケーションが必要なときは喜んで出社したいですが、強制されるのは好きではありません。(30代、システム開発)
フルリモートが全て良いかと言うとそうでもなく、同僚や先輩・後輩とのちょっとした会話が難しく、チームメンバーとの些細な会話や意思疎通と言う部分に難しさを感じます。(40 代、経理)
対面でのコミュニケーションの重要性については、「週 2 日」や「週 3 日」と回答したユーザーのコメントでも見られました。リモートワークのメリットを享受する一方、オンラインでは難しい細かなニュアンスの共有や、何気ない会話から生まれるアイデアに価値を感じていることがうかがえます。多くの企業でリモートワークが定着した今、業務内容やチームの状況に応じて、どのような場面で対面のコミュニケーションを取り入れるべきかを見極めることが求められているのではないでしょうか。
<「週 2 日」または「週 3 日」と回答したユーザーのコメント>
フルリモートがプライベートとのバランスを取るのには最適だと感じますが、同僚とのコミュニケーションを取るために、時々出社するほうが良い。ただ週 1 出社だとすれ違いになる同僚も多いので、週 2 出社(週 3 リモート)を選択した。(40 代、プロジェクトマネージャー)
実際に週 2 でリモートしていますが、メンバーとのコミュニケーションや上司との雑談など、会わないと得られないメリットの方が今は大きい。(20 代、法人営業)
若手ほど「理想はフルリモート」
投票結果を 20 代、30 代、40 代、50 代の四つの年代別で見ると、「週 5 日(フルリモート)と回答した割合が最も多かったのは 20 代、30 代でそれぞれ約 3 割を占めました(20 代は「週 3 日」の回答も約 3 割)。一方、50 代は「週 2 日」と回答した人の割合が最も多く、「毎日オフィスに出社」と回答した人の割合は年代別で最多でした。
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